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東戸塚商店会のご紹介②(YOKOHAMA商工季報2021新年号)

東戸塚商店会:現在の取り組み編

 前号でご紹介した戸塚区・東戸塚商店会。街の兄貴分である森田達美会長(美容院・Hair MakeDe Choixオーナー)率いる“チーム東戸塚”は、いかにコロナ禍を逆手にとって活動しているのでしょうか。今号ではさらに掘り下げてお伝えします。

●飲食店救済の一番乗りは「東戸塚イーツ」

 まずは、4月にスタートしたフードデリバリーサービス「東戸塚イーツ」。担当するのは、この街で生まれ育ち、地域情報誌『戸塚新聞』の編集に10年以上携わってきた三根翔太さんです。
 「商店会の中でも特に経営が厳しくなった飲食店を支えようということで、商店会内にデリバリーシステムをつくることになったのが3月。仕事が減って困っている飲食店のスタッフに、報酬を払って配達を担ってもらった点が大きな特徴です。デリバリー業者を入れると売上がそちらに流れてしまうけれど、このシステムなら配達費も含めて商店会の中だけで賄うことができますから」。

「東戸塚イーツ」を担当する
三根翔太さん。地域情報誌
『戸塚新聞』の編集に10年
以上携わる経験を商店会
でも発揮


 7月に一旦サービスを終了しましたが、飲食店からの要望を受けて10月に再開しました。運営資金については、行政書士を本業とするスタッフが担当。神奈川県商店街等再起支援事業費補助金で、システム構築費と配達スタッフの報酬を賄っています。
 「サービス開始当時、注文の受付は前日の20時までだったのですが、再開してからはさらに使いやすくするために当日の注文もOKにしました。苦労しているのは配達員の確保ですね。注文が多いと配達員が足りなくて、商店会の主なメンバーが協力しあって配達に行くんですよ(笑)」。

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「東戸塚イーツ」の配達用スクーター。
ボックス部分の「東戸塚イーツ」ロゴ
マークが目印。

●LINEの割引サービスで、さらに商店会を盛り上げる

 商店会を支えるもうひとつの活動は、LINEを使った割引サービスです。生命保険の営業を本職とする齋藤真人さんにお話をうかがいました。 「4月に飲食店を盛り上げようという話になって、まずは東戸塚商店会公式のLINEアカウントをつくったんです。こうした場があれば、店舗の情報をどんどん発信できるでしょう。その後さらに盛り上げるために、商店会のメンバーを紹介する動画を公式ブログに掲載して、LINEからも見られるようにしました」。
 若手スタッフから「LINEの割引サービスが使えるのでは?」という提案があったのは夏のこと。商店会加盟店で買いものをする際にLINEで二次元コードを読み取り、スタンプが5つたまると1百円、10個たまると1千円のサービスチケットが発行されるというシステムです。このようなサービスを独自に行っている商店街は全国的にも稀ですが、アイデアが浮かんだら「いますぐ動け!」が東戸塚流。すぐに取り組みが始まりました。LINEの月々の利用料は商店会費を、動画の撮影費は補助金を利用するなど、こちらも資金繰りは行政書士であるスタッフが管理しています。
 「飲食店は現場のことで手一杯。だからといって何もしないと、商店会はつぶれてしまうかもしれません。このLINEの割引サービスなら、店舗側はシステムをつくる苦労も金銭的な負担も背負わずにお客さんを増やせるからいいですよね」。

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LINEを使った割引サービスを
担当する齋藤真人さん。
生保で勤務する傍ら、NPO法人
を立ち上げ、子どもたちの
居場所作りに奮闘。
HTS line QR-160.jpg
公式LINEアカウント:
https://line.me/R/ti/p/%40776rqbkc

 10月末から始まったサービスは12月で一旦終了。課題を洗い出した上で、引き続き継続していきたいとのことです。
 「今後も皆様に有用な情報提供を行いつつ、サービスの向上を図りながら、公式アカウントへの登録者数を増やしていきたいですね。規模が大きくなれば、地元企業の方々に広告媒体としてのご利用も検討いただきたいと考えております」。
 この街で生まれ育ち、この街で子育てをしている齋藤さん。
 「当時、街の大人たちには、遊んでもらったり叱ってもらったり。僕も同じような感じで子どもたちと接していきたいんです。縦のつながりがあれば、災害時などいざという時も安心ですよね」。

●会長と副会長は〝チーム東戸塚〟をまとめる名コンビ

 数々の活動を副会長として支えるのは、司法書士の福與暁夫さん。この地に事務所を構えて10年になります。
 「地域のために活動したいと思い続けてきたのですが、この街には長いこと何の活動もなくて。2年半前に商店会ができたときは『待ってました!』と(笑)」。
 商店会では、司法書士としての知識を生かして規約つくったり、総会を取り仕切ったりと事務方の仕事を一手に引き受けています。
 「僕たちは適所適材なんですよ。東戸塚イーツやLINEは発想が自由な若手に任せるのが一番。司法書士や行政書士はそこに首を突っ込まず、事務的な面からサポートしています。非常にバランスがいいですね」。
 長引く新型コロナの流行で商店会は打撃を受けていますが、福與さんはそこを逆手にとるつもりで動いていると言います。
 「みんな都心ではなく地元に楽しみを求めるようになっているから、商店会にとってはチャンスでもあるんですよ。商店会の幹部はそれぞれ働き盛りで本業に忙しく、負担も大きいけれど、みんなの顔を見ると励まされるんです」。
 そんなメンバーひとりひとりの個性を大切にしながら、時に任せきり、時に叱咤激励しながらチームをまとめているのが森田会長です。
 「商店街活動というと、普通はお店の宣伝をしてもらって、それが儲けにつながって……っていう感じで参加するものでしょう。でもうちは違う。地域を活性化すれば、お客さんは後からついてくるっていう考え方なんです。自店の利益のためだけに参加するっていう人はひとりもいない。だからみんなで掃除をしたり、AEDの免許をとったり、ユニバーサルマナー検定の試験を受けたり。商店会というより“チーム東戸塚”っていう方がしっくりくるんですよ」。
 「思い立ったらすぐに実行しよう。子どもたちのために大人が成長しよう」と常に言い続けてきた森田会長の名ゼリフは「失敗してもいい。俺が責任を取るから、思い立ったらすぐに行動しろ!」。その一言に励まされ、メンバーはそれぞれの得意分野でのびのびと力を発揮しています。

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東戸塚商店会で副会長を
務められる福與暁夫さん。
東戸塚で福與司法書士事務所を
開業し、〝地域のために活動
したい〟という思いを商店会
で実践する。