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横浜弘明寺商店街のご紹介③(YOKOHAMA商工季報2020新年号)

横浜弘明寺商店街:今後の商店街編

 「人情・下町・門前町」をキャッチフレーズに、70年以上にわたって活況が続く横浜弘明寺商店街。その圧倒的な強みは、「横浜最古の寺院・弘明寺と観音様」「全国的に有名な大岡川の桜並木」「京浜急行と横浜市営地下鉄という二路線の弘明寺駅に挟まれている好立地」という3点を兼ね備えていること。これらを活かした商店街の魅力を発展させ、さらに次世代に伝えていくためには? 未来へのビジョンについて伺いました。

●みんなのふるさとであることを〝弘明寺ブランド〟に

 今後に向けて〝弘明寺ブランド〟をどのような形で打ち出していくべきか? 任期5年目となる長谷川史浩・商店街協同組合理事長は常に考えていると言います。
 「この街には、観音様や大岡川など、今も昔も変わらないものがあります。そういう意味で、ここはとても〝ふるさとっぽい〟街。実際、ここで生まれ育った店主は、それぞれ自分のふるさととしての弘明寺像を持っているはずなので、お店を通してどんどん表現してほしいですね。また、新たに商店街へ出店したお店の方々も、その思いを共有し、共に発展していければと思っております。地域のみんなの思いが〝弘明寺ブランド〟と呼ぶべき個性に育ち、誰にとっても懐かしい、いつまでも変わらない商店街でありたいと思っています」。

横浜弘明寺商店街では、弘明寺の観音様にちなんだ商品も多い(写真は盛光堂総本舗の観音最中)

●イベントもインフラ整備も商店街の変わらぬ姿のために

 とはいえ、いまや消費行動の主流はショッピングモールやインターネット。手を打たなければ、消費者は時代とともに「個店で買いものをする楽しさ」を忘れてしまいます。そこで、弘明寺商店街が改めて力を入れるのは、代々の「販促委員」が尽力してきた四季折々のイベント。楽しい思い出をつくった子どもたちが将来、家族を連れて戻ってくるように、という願いも込められています。
 「これから春に向けては節分と桜まつりですね。節分は、商店街のサービス券という当たりの付いた福豆袋に毎年500人以上の方が並んでくれます。子どもたちは、ゆるキャラの”オグジ・サグジ”に豆をぶつけるのが大好きですね。桜まつりは区をあげてのお祭り。全国ニュースでも紹介されますし、1年で一番お客さんの多い時期です。こうして毎年恒例のイベントをパワーアップさせながらも、昨年はマルシェなど新たなイベントも増やしたんですよ」。

オグジ・サグジも盛り上げる「節分」

 イベントに尽力するのと同時に、インフラ整備やインバウンド対策を入念に行うのも、弘明寺商店街の特徴です。
 「昨年11月からアーケード改修工事に取りかかりました。風雨をしのぐためだけでなく、ひとつ屋根の下で商売をしているという一体感のためにもアーケードは大切です。同時にフリーWi-Fiの完備も進めています。訪れた方がSNSに写真を投稿してくだされば、大きな宣伝になりますから。インバウンド対策としては、商店街主催で店主の方々に向けた英会話教室を開いています。みんな商人だから、英語は初めてでもコミュニケーションは得意ですよ(笑)」。

満開の「桜まつり」

●3代目が抱える未来への思い

 商店街で生まれ育った3代目・笹川康広さん(和菓子店「盛光堂総本舗」)、大貫文吾さん(「婦人洋品店のほまれや」)のお二人にもお話を伺いました。ともに店舗経営の責任も、組合役員としての責任ものしかかる40代後半。大貫さんは、販促委員長を任されて3年目となり、試行錯誤を繰り返している最中です。
 「たとえば、昨年11月に初開催したマルシェでは、初めて仲介業者を通して商店街の店舗以外の屋台に数店舗出店いただきました。いつもと違うことをして目を引くのもいいかな、と。他にも、お中元の福引きをやめて、その予算でセールを2回開催したり、中断していた新聞の折り込みちらしを再開したり。何事もやってみないとわかりませんから」。

 将来の商店街の理想像について伺うと、お二人の答えはそろって「まずは現状のキープ!」。長谷川理事長の「いつまでも変わらない商店街の姿を」という思いと重なります。
 「このご時世、商店街にシャッター(閉店)が増えないようにするのは大変なことです。今がんばっているのは広範囲から集客すること、次世代のお客さんづくりに向けてファミリー層にアピールすること。たとえば、横浜市営地下鉄を使って弘明寺観音の参拝に来ていただけると否応なく商店街を抜けることになるので、沿線の全駅にちらしを置いてもらいました」。
 そう語る笹川さんは、イベントでも率先して子どもたちと触れあっています。
 「お客さんにしても、お店の跡継ぎにしても、どうすればうまく下の世代にバトンを渡せるか。それがこれから先、一番大きな課題になってきますね」とお二人。弘明寺では、これからも商店街が一体となった”攻めの試行錯誤”が続いていきそうです。

初開催だった「マルシェ」のようす
販促委員長として、商店街のにぎわい創出に尽力する
「婦人洋品店のほまれや」の大貫文吾さん