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横浜弘明寺商店街のご紹介①(YOKOHAMA商工季報2019夏号)

横浜弘明寺商店街:店舗紹介編

●商店街の魅力は下町人情

 横浜最古の古刹・弘明寺の門前町として戦前から栄えていたといわれる横浜弘明寺商店街。約120店舗が軒を連ねる312mのアーケードは、平日の昼間から賑わいを見せています。その活気の秘訣を商店街協同組合の長谷川史浩理事長と、細井勇人総務委員長に伺いました。

 「ここは、京浜急行と横浜市営地下鉄という2路線の駅に挟まれているおかげで、常に人の流れがありますね。商店街の真ん中を南北に流れる大岡川の川沿いには桜並木があって、開花時期には大勢の見物客が集まります。そんな地の利だけでなく、ここは観音様も見守ってくれていますから。御利益ですね」。

 そう語るのは、任期5年目に突入する長谷川理事長。アーケードの上を歩いて叱られたことなど、商店街には子ども時代の思い出も詰まっているそう。

 「弘明寺商店街の魅力は下町人情。お店もお客さんも親子三代のつきあいだったりしますから、お互いの顔が分かるんです。『あそこのおじいちゃん、最近見ないね』なんていうことも誰かが気付く。いまどき珍しいでしょう?」。

 時代を遡れば、昭和47年に若手が「弘友会」を結成し、精力的にイベントを主催するようになりました。その熱意を受け継ぐのは、長年イベントを担当してきた細井総務委員長です。

 「1500人以上ものお客さんが集まったハロウィンを始め、桜祭り、商店街プロレス、灯籠流しなど、毎週のように何か楽しいことを企画してきました。お客さんが飽きないように、いつも次のことを考えています」。

商店街協同組合の長谷川史浩理事長(左)と、細井勇人総務委員長(右)。2人は近隣の大岡小学校出身の先輩後輩でもあるそう。

 このご時世、ここまで一丸となってイベントを盛り上げることのできる商店街はなかなかありません。

 「ここには、みんなで町を盛り上げていこう、という雰囲気が伝統的にありますね。先輩たちは『俺たちが責任とってやるから、なんでもやってみろ』と言ってくれるし、下の人間は、先輩たちに迷惑をかけないようにがんばろうと思う。それが弘明寺商店街なんです」。

 長谷川理事長はそう自負しています。目指すのは、伝統を守りながらも、時代の変化に対応していくこと。

 「たとえば、Free WiFiの完備、キャッシュレス化、インバウンド対応。とくに、海外からの観光客の方々に、みなとみらいや中華街に行ったら、弘明寺にも寄ってみよう、と思っていただくのが理想です」。

 そんな長谷川理事長、細井総務委員長がおすすめする飲食店を3軒ご紹介しましょう。

弘明寺商店街のゆるキャラ「オグジ&サグジ」。
オグジは大岡川を守る小鬼で、角は魚を逆さまにした形。サグジは桜を守る小鬼で頭には桜の花をつけている。
弘明寺観音の仁王像にちなんで、口が“あ”と“うん”になっている。

●商店街を彩るみなさん①:チャブダイカフェ

 まずは、前園泰政さん、里美さんご夫妻が2年前、弘明寺に飛び込んできて開いた「チャブダイカフェ」。新規の店舗を温かく迎えるのもこの商店街の良き伝統です。

 「自宅に友だちを呼んで“ちゃぶだいを囲む会”を2年ほど開いていたら、それが口コミで広がって店を出すことに。開店にあたっては、飛騨高山から大きな栃の木のテーブルを取り寄せて、ちゃぶだいのようにどーんと置きました。美味しいものをみんなで囲む時間って楽しいですよね。ここで隣り合わせて友だちになるお客さんもいるんですよ」。

チャブダイカフェと前園泰政さん(左)、里美さん

●商店街を彩るみなさん②:レストラン マコト

 2軒目は、商店街きっての老舗「レストラン マコト」です。創業72年、現在の店主・吉田智志さんは三代目。本格的なフランス料理をベースとした洋食に、多くのファンがついています。

 「こだわりは、つけあわせもソースもすべて一から作ること。それが当たり前だと思っていますから。とくにハンバーグやビーフシチューに使うデミグラスには力を入れています。何時間もかけて煮込むことで野菜や肉のうまみを引き出すんですよ。逗子の小坪漁港で仕入れる魚を使ったメニューもおすすめです」。

レストラン マコトの吉田智志さん

●商店街を彩るみなさん③:弘明寺下町食堂 町っ子

 最後は、この弘明寺で生まれ育った須原康仁さんが1年前に開いた昭和レトロな食堂「弘明寺下町食堂 町っ子」。

 「この店は、昔の弘明寺の町を再現しています。僕をかわいがってくれる先輩たちに懐かしさを感じてもらえたらいいな、と思って作りました。商売というのは、“まち”に育ててもらうもの。僕がここでやっていけるのも、人情あふれる商店街のみなさんのおかげです」。

 8歳の頃から「弘明寺町っ子囃子」というお囃子団体に所属していた須原さん。いまでは、子どもたちにお囃子や獅子舞を教えています。店名も、縁の深いこのお囃子団体から取ったそう。今年、南区六ツ川にプリン専門店「横濱ミルク 町っ子」もオープンさせました。今後の展開が楽しみです。

弘明寺下町食堂 町っ子の須原康仁さん

 戦前から賑わいを見せ、初めてアーケードが架けられたときは、その長さが「東洋一」と評判になった弘明寺商店街。次回はその歴史を遡ってみましょう。